- こん
- I
こん(副)(多く「と」を伴って)(1)固いものが軽くぶつかって出す音を表す語。(2)咳(セキ)の音を表す語。(3)キツネの鳴き声を表す語。II
「~とキツネが鳴きゃせぬか」
こん【事】「こと(事)」の転。III「そんな~だと思った」「是は無念な~だが/雑兵物語」
こん【喉】※一※ (名)〔女房詞〕肴(サカナ)。 [大上臈御名之事]※二※ (接尾)助数詞。 魚を数えるのに用いる。IV「よそから下された鱸(スズキ)を三~の内を, 一~洗へと言へ/狂言・鱸庖丁」
こん【坤】易の八卦の一。 算木で☷の形で示す。 陰の卦で, 柔順に物を成長させる徳を表し, 南西(ひつじさる)の方角に配する。⇔ 乾Vこん【根】(1)粘り強く一つのことを続ける気力。 根気。「精も~も尽き果てる」
(2)〔数〕(ア)方程式を成立させる未知数の値。 方程式の解。 (イ)ある数を何回か掛け合わせた数に対する, そのもとの数。 累乗根。(3)〔化〕 全体としてイオン(特に陰イオン)になっている基。(4)〔仏〕 感覚器官など, 一定の機能・能力を有するもの。~を詰・める精神・肉体の疲労をかえりみずに, 一つの物事に没頭する。VIこん【献】※一※ (名)(1)肴(サカナ)・銚子をととのえて, 客に膳部をすすめること。「其の後~共度度参る/言国卿記」
(2)飲み干した杯の数。「『まだ飲むか。 最早置かいで』『~が悪うござる』/狂言・寝音曲(鷺流)」
※二※ (接尾)助数詞。(1)杯をさす度数を数えるのに用いる。「一~献(ケン)ずる」
(2)吸い物・肴・銚子をととのえて膳をすすめる度数を数えるのに用いる。VII「一~にうちあはび, 二~にえび, 三~にかいもちひにてやみぬ/徒然 216」
こん【紺】暗い紫みの青。 濃い藍(アイ)色。VIIIこん【金】五行(ゴギヨウ)の第四。IXこん【魂】(1)たましい。 特に, 陽の気に属して精神をつかさどるとされる。「~は冥途(メイド)にござれども, 魄はこの世にとどまつて/狂言・武悪」
→ 魄(2)こころ。X「神(シン)は傷み, ~は驚くと雖も/金色夜叉(紅葉)」
こん【鯀】中国古代伝説上の人物。 治水に努めたが失敗し, 舜(シユン)に誅された。 その子禹(ウ)が治水事業を継承した。XIこん【鯤】〔荘子(逍遥遊)〕中国古代の想像上の大魚。 北の海にすみ, 大きさは数千里あるという。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.